唯一無二の存在感…ヤマハVMAXに乗ってみたい!

ヤマハ開発陣によるコンセプトは「人にとってその物が何であるか」でした。

VMAXの開発は、まるで禅問答のような問いかけの連続だったのです。

性能を競うだけなら、技術屋にとっては願ってもないことなのですが、もちろんそれだけでバイクの開発はできません。

かといって、VMAXは限定された用途や利便性を追求したものでもないのです。

まさに逆説の繰り返しの中でVMAXは作られたといっていいでしょう。

そして、「人にとってその物が何であるか」に帯する答えは、VMAXを支持するユーザーに委ねたのです。

もちろんヤマハ開発陣にも答えが用意されていて、それは、「人生を豊かにするものであれ」ということです。

VMAXは「ヤマハの至宝であり財産」です。

ヤマハの物づくりの象徴と言ってもいいでしょう。

初代VMAXは1985年に登場

VMAXを語るときは、1985年登場の初代と2008年にモデルチェンジした第2世代に分けられます。

その間、ちょこまかとマイナーチェンジは行われたのですが、2008年のモデルチェンジは排気量がそれまでの1200ccから1700ccになるなど、大幅なモデルチェンジが行われたのです。

第2世代はさらにマッスルボディになった印象です。

海外モデルと日本仕様があって、やはり海外仕様のほうが人気です。

なんといっても、200psですからね。

311kgの車重を考えると海外仕様を求めるのは無理もないでしょう。

国内仕様でもリミッターを外せばなんとかなりそうですが…同じエンジンですから。そうするとメーター関係も変えなくてはいけません。

もちろん、国内仕様でも必要十分ですよ。
※国内仕様でも151psです。

見た目の巨大さでびびるけど…

おそらく誰もがVMAXを見ると「これはハードル高そう」と思うでしょう。

これまでに見たこともない重厚感ですからね。

ハヤブサなどメガスポーツも大きいですが、跨がってみたらそれほどの巨大さを感じさせません。

しかしVMAXは跨がってもそのイメージは変わらないのです。

ハーレーなどのアメリカンタイプのバイクも見た目の重厚感があるのですが、重心が低いので見た目よりも跨がったほうが安定感があります。

VMAXはそれに近い間隔なのですが、それでもアメリカン以上のシート高から、どうしてもハードルの高さを拭いきれないのです。

それでは、走ったらどうか…。

さすがに重さを感じることはありませんが、鈍重なイメージを巨大な馬力とトルクでグイグイ押し上げるような感覚です。

見た目も唯一無二ですが、乗り味も唯一無二なんです。

これは、VMAXに実際に乗ってみないと伝わりにくいところかも。

試乗でしか乗ったことがないのですが、ヤマハって今はどうかわかりませんが、10年前くらいはあちこちで試乗会を行ってましたね。

「走り出してしまえばそれほどでもないよ…」

というのが大方の意見です。

これはどのバイクでも言われますよね。

重厚感のある見た目とは反対に、UターンやS字の切り返しも決まります。

重厚感がそのまま安定感になっているのです。

もちろん、UターンやS字では倒し込みも必要ですが、基本的には『舵角で曲がる』という基本路線はVMAXでも変わりません。

問題なのは取り回し…。

これはもう慣れるしかないですね。

平地であればそれほど苦にはならないという意見がほとんどです。

基本はできるだけまっすぐ押す、まっすぐ下がる…これですね。

ちょっと斜めになっているようなところや、90度切り返すようなときにピンチが訪れますよ。

基本的には『好きこそものの上手なれ』なので、オーナーにとっては問題のないことばかりでしょう。

VMAXのスペック

RP22J型VMAXの諸元

画像はヤマハ発動機株式会社より引用
車両型式 EBL-RP22J
お値段 2,376,000円
排気量 V型4気筒1679cc
最高出力 151PS[111kW]/7500rpm
最大トルク 15.1kgm[148Nm]/6000rpm
60kmh燃費 16.0km/L
全長幅高 2395mm/820mm/1190mm
面積&体積 1.964m²/2.337m³
地上&座面 140mm/775mm
車両重量 311kg
タイヤ 前:120/70R18 後:200/50R18
ブレーキ 前:Wディスク 後:ディスク

迫力のある加速感とスタイルが魅力です。

直線番長のイメージですが見た目ほど鈍くないハンドリング。

Uターンも意外と楽です。

S字もスパスパ決まります(オーナー談)。

超低速時に若干クセが出るようです(低速トルクもあるのであくまでもクセとして)。

押し引きも平地なら問題なく、取り回しも意外と軽いですよ。

以下は短所です。

シート幅が広く、体格の大きくない人には足つきはややつらいものがあります。

乗車時のニーグリップは見た目以上にしやすいのですステップ位置は微妙…足がやや窮屈気味なんです。

燃料タンクが小さいので航続距離が短いのと燃費も排気量相当です。

このスタイルが好きな人には問題ありません。

いっぽうで今風の電子制御機器は皆無です。

基本設計が古いので今の電子デバイスてんこ盛りのバイクと比較しないほうがいいでしょう。

いっぽうで、中途半端にワイヤーの付いた電子スロットル、設定の出来ないABS。スリッパークラッチは付いているのですが、トラコンやパワコンなどはありません。

2017年に生産終了しています(将来的に復活は…出るならEV仕様でしょうね)。

伸びしろはないので現在のVMAXで楽しんでください。

みんなのインプレッション

「 味のあるエンジン。4000rpmくらいで「ヒョ~」っていう音と共に加速していく感じが気持ち良い。意外に乗りやすく、マイルドなバイクである事。60km/hくらいまでは峠でも街でもヒラヒラ曲がる。さすがハンドリングbyYAMAHA。(それ以上の速度だとひたすらドアンダーになる。)」

「 見た目は強烈で押せばかなり重いが、乗ってしまえば楽なポジションと味のあるエンジン。
加速命の直線番長と思われがちだが、ゆったりツーリングに持って来い。こいつに乗ってから平均時速が10kmぐらい低くなったぐらい飛ばさなくても十分楽しい。逆に飛ばせばいろんな意味でスリリング。
20年現役には訳があると思い知らされた。なかなか味な奴です。」

「鬼の様な加速「感」。フロントの接地感がなくなるぐらい。Vブーストは楽しい。
好みが分かれると思うがスタイリング。私的には最高にかっこいいと思う。ノーマルスタイリング命!
トルクの塊みたいなところ。250からの乗り換えなので余計に感じました。尻からモリモリ湧き上がる。
V4で意外とスリムなのですり抜けもしやすい。」

「見た目が美しすぎる!(街で老夫婦にきれいなバイクだねと言われて感無量)独特のV4サウンド スリリングで暴力的な加速」

「 やはり見た目のデザイン。存在感。威圧感。 VMAX以上の加速ができるバイクはあるだろうけど、これほどの「加速感」を楽しめるのはそうないと思う。 やはりVBoostは面白い。」

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