CBR1100XX_SuperBlackbird(スーパーブラックバード)世界最速競争…ホンダの本気

日本国内では2001年3月に発売されたCBR1100XX(ダブルエックス)スーパーブラックバード。

これは1996年から海外で販売されていたモデルの国内導入版でした。

CBR100Fの後継として96年に登場

90年代、ホンダにはCBR1000Fがありました。

当時、国内向けフラッグシップモデルはCBR750だったのですが、海外仕様に規制無しの998ccエンジンを搭載したものです。

そのCBR750をモデルチェンジした形で1996年に登場したのが海外仕様のCBR1100XXだったのです。

「スーパーブラックバード」といういかした名前は、等意地米国空軍が採用医していた超音速の高高度偵察機であるSR-71ブラックバード(ロッキード社)からきています。

マッハ3で飛行するブラックバードを(イメージとして)超える、最速モデルとしての登場でした。

発売時の新車カタログには、SR-71をバックに従えたCBR1100XX…という写真が用いられていたのも衝撃的でした。

当時、世界最速のバイクの座は長くZZR1100が君臨していましたが、そこは後続のバイクとして(軽々と)世界最速の座を奪取したのです。

すでに当時のホンダのバイクは、安定感抜群で壊れないバイクといったイメージができていました。

その中にあって、世界最速を目指したのCBR1100XXスーパーブラックバードにホンダの本気を久しぶりに見たような気がしたものです。

のCBR1100XXのコンセプトは3つ。

  • 超高速域での快適な居住性
  • 圧倒的な絶対性能
  • 大排気量車でありながらミドルクラス並みのハンドリング

これらの3つを全て最高水準でクリアした、文字通り世界最高性能の量産市販バイクとなったのです。

どんなバイクだった?

排気量1,137ccの水冷4スト直列4気筒エンジンは、164ps(海外向け・初期型)を発揮。

空力特性に優れた大型のボディカウルと組み合わされ、市販状態での時速300kmオーバーの最高速を実現させました。

96年の登場後、逆輸入という形で国内でも入手可能でしたが、2度目のマイナーチェンジを受けた2001年に、日本国内向け仕様が登場しました。

当時のメーカー自主規制によって最高出力は100ps(74kW)に抑えられ、180km/hでスピードリミッターが効くようになっていました。

リミッターの解除は可能でしたが、スピードメーターやタコメーターも変更する必要があったため、人気面ではどうかといったところもあったのですが、それでもけっこうな販売数になったようです。

国内で180km/h以上出せるようなところはサーキット以外ないので当然と言えば当然ですね。

常に言われることで、それだったら180km/hも出せなくていいのでは?ということですが、それは、そのくらいのパワーや馬力がないと、坂道を100km/hで走行できないからです。

国内仕様の発売後は、大きな仕様変更を受けることなく、平成19年排出ガス規制への適合が必要になった2008年9月を迎える前に、販売終了となりました。

その後、後継モデルが登場しなかったのでCBR1100XXは、ホンダのスーパースポーツに冠される「CBR」の名称を持つモデルにおいて、唯一のリッターオーバーモデルとなりました(2021年現在)。

余談ですが、CBR1100XXにはネイキッド版が存在しています。

それが、1999年に限定発売されたX11(エックスイレブン)なのですが、今ではなかなか見ることのない稀少車となってますよ。

1000台限定発売ですから当然なのですが…。

CBR1100XXスーパーブラックバードは、ホンダにとって久しぶりの世界最速車となりました。

世界最速競争には興味がないとも見られていたので、その登場は意外性を持って迎えられた面もありますね。

ただし、それぞれのパーツを熟成させて最高性能を求めた結果とも言えます。

それだけ、世界初の2軸2次バランサーは最速でありながら上質感があったのです。

当然ですが、量産車として最高の164psを発揮。

99年のスズキハヤブサの登場まで破られませんでした。

馬力にばかり目が向きがちですが、そこはホンダが作ったバイク、CBR1100XXは単純な速さに特化したモデルではありませんでした。

既出のエンジン内には振動緩和用として、二輪車の世界では初となる2軸2次バランサーを採用した他、

安全性や快適性を高める装備として、足まわりには前後連動ブレーキのD-CBS、

独創的なピック・ア・バック式ヘッドライトには照射面積を広げるフリーフォームリフレクターを採用。

それでいて、乾燥重量は先代のCBR1000Fより26kgも軽い223kgを実現しました。

これでも十分に重いのですが、一旦走り出せば重さを感じることはありませんでしたね。

試乗程度のインプレになりますが、本当に振動がありません。

スムーズに加速するエンジン…走り屋には向いてないかも…高速クルージングは楽だろうなと思いました。

CBR1100XXのスペック

SC35型CBR1100XXの諸元

画像は本田技研工業より引用
車両型式 BC-SC35
グレード Super Blackbird
お値段 1,100,000円
備考 スーパーブラックバード
排気量 直列4気筒1137cc
最高出力 101PS[74kW]/8500rpm
最大トルク 10.0kgm[98Nm]/6500rpm
60kmh燃費 21.0km/L
全長幅高 2160mm/720mm/1200mm
面積&体積 1.555m²/1.866m³
地上&座面 130mm/810mm
車両重量 256kg
タイヤ 前:120/70R17 後:180/55R17
ブレーキ 前:Wディスク 後:ディスク

ZZR1100との見た目の比較なのですが、ブラックバードのほうが流線的でしたね。

無駄な空気の流れが無いようでとても速そうに見えました(速いんですけど)。

そのときはZZR1200に乗っていたんですけど、メガスポーツになるとこういう形になるんだなと思いましたね。

ハヤブサはもっとグラマラスな感じなんですが、空気の流れをしっかりと考えているところはどのメガスポーツも似たようなものでした。

その中で、やっぱりブラックバードはかっこよかった。

知人が乗っていたのですが、ブラックバードなのにブルーのカラーリングだったので、ちょっと違和感があったのですが、単純にカラーを考えたネーミングではなかったのですよね。

みんなのインプレッション

「やっぱり、世界最速でしょう。(ハヤブサに抜かれたっけ?)メーター読みですけど、ちゃんと300キロまで出ますよ。北海道で試してみました。又、「そんなにださねーよ」って言う人でもそのポテンシャルの恩恵を感じることはできます。
ツーリングが目的ならZZRでいいと思うし、スポーツしたければハヤブサでもいいと思う。XXはこの2台の中間的な立場にいると思います。だからオーナーの気持ち次第ですけど、どうにでも変われるバイクだと思います。」

「・全然振動が無い・バイクなりに走ってもそれなりに速い・恐怖感なくスピードを出せる・部品精度の高そうなスムーズなエンジン・常時点灯式じゃないのに車検に通るライト(買った時期が良かった?)・今新車じゃ買えないキャブレター車なところ」

「とてもトルクフルなエンジン。低回転から高回転までスムーズに回る。振動も少ない。20km/h以下の速度でも粘り強く、1500rpmぐらいでも巡航できる。ハンドリングが、とても素直でくせがない。ブレーキは、絶品!高速からのブレーキングでも問題無しライトが、とても明るい。(ON・OFFスイッチ付)荷掛けフックが便利。センタースタンドも付いている。」

「高速道路で楽なバイクが欲しかった。ZZ-Rと比較検討したがテールのデザインでブラックバードに決定。ポジションのきつさは敢えて考えませんでした。(好きなバイクに乗るのが一番!)」

「 怒濤の加速(視界が追いつかない)。超低振動(ホントに凄い!)。走り出してしまえば重さを感じないハンドリング。よく利くブレーキ。所有感を感じるボディ。アイドリングが静かで早朝のエンジン始動も気にならない。みんなが言うほど暑くない。」

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