ザ・80年代…ヤマハXZ400はゴツゴツした無骨なバイク

70年から80年にかけてはキラ星のごとく新しいバイクが登場した時代です。

特に400ccバイクは百花繚乱でした。

どんな排気量のバイクが出ても、400ccエンジンのバイクが用意された時代でしたね。

その中で、ヤマハのXZ400は個性派スーパースポーツとして存在感を発揮していました。

どんなバイク?

ヤマハVZ400は1982年3月に登場したバイクです。

エンジンは、398cc水冷4ストロークV型2気筒DOHCエンジン。

普通のエンジン??と思いがちですが、シャフトドライブというのが異質でした。

付け加えれば、当時ミドルクラスといっても、4気筒エンジンが次々と発売されていた時代です。

70年代後半から80年代にかけて、ミドルクラス4気筒がブームとなっていました。

ホンダだとCBX400F(1981年)でしたし、スズキはGSX400F(1981年)、カワサキはZ400GP(1982年)、そしてヤマハはXJ400(1980年)を出していました。

そこへXZ400の登場です。

当時は、4スト並列4気筒がヒットバイクの絶対条件だったのです。

※2ストバイクももちろん人気ではあったのですが、少数派(走り屋の中のさらに小さなカテゴリー)的な感じでした。

冷却形式が水冷・空冷の違いもあったのですが(XJ400は空冷)、XZ400は水冷でなおかつ異なったアプローチをしていたバイクのイメージです。

登場した2ヵ月後にはフロントカウルを装備したXZ400Dが登場。

ヤマハのやる気を感じさせましたし、XZ400自体の人気も上々でした。

国内仕様のバイクでは、フロントカウルを装着した初のバイクというのもインパクトがありましたね。

XZ400がカウルを装着したバイクの走りだったのは間違いなく、その後のホンダのCBXシリーズなどカウルを装着したバイクがどんどん出てきました。

カウルを装着すると、バイクの暴走を助長するということで、国内仕様でのカウルバイクは自重していた…気がします。

輸出向けのバイクではカウルバイクをガンガン作ってましたからね。

なので、国内向けのカウルバイクの扉を開けたバイクとしても画期的でもあったわけです。

まあ、スポーツバイクの急激な高まりがあったのは間違いないですが、加熱しすぎたことで逆に90年代に入るとネイキッドブームが訪れたのも興味深いです。

XZ400に話を戻すと、加速ポンプ付きダウンドラフトキャブレター、YICS(ヤマハインダクションコントロールシステム)装備の高出力・スリムな4ストローク・Vツインエンジンが走り屋の心を捉えたのは間違いありません。

そして軽量・低重心設計のパイプバックボーンフレームに搭載したのも血が騒ぎます。

トータルバランスに優れたシャープな走りを実現したバイクでした。

XZ400のインプレッション

試乗したことはありませんが、見た感じは“ゴツゴツ”したバイクのイメージです。

とにかく直線的で、ライトも角目でしたからね。

でもそれがクラシカルではなく、逆に未来的なデザインに見えたのです。

人気があったように思えず、かといって当時は4気筒とか2気筒とかもよくわからなかったのですが、友人が乗っていたので間近でよく見ていました。

他のバイクとはデザインがまったく違うように見えて、カッコいい…という感じではなく一目みて分かるバイク、オンリーワンなイメージがプンプンしてました。

友人もそれがまんざらではなかったのでしょう。

バイク乗りには、同じバイクに乗って連帯感を感じるタイプと、誰も乗っていないバイクに乗って孤高を味わうタイプの2つのタイプがあることを知った時期もありましたね。

XZ400Dが出たときは、カウル付きのバイクが珍しい時代でこれはこれで未来を感じさせたものです。

それ以降、カウル付きのバイクが各メーカーから発売されました。

XZ400Dには新しさを感じましたが、XZ400ほどのインパクトは感じなかったですね。

XZ400のスペック

全長 × 全幅 × 全高: 2,145mm × 750mm × 1,090mm
車両重量: 189kg
エンジン型式: 水冷4ストローク DOHC4バルブ V型2気筒398cm3
最高出力: 33.1kW(45.0PS)/ 10,000r/min
最大トルク: 33.3N・m(3.4kgf・m)/ 9,000r/min
販売価格(当時): ¥499,000

↓エキゾーストサウンド

シャフトドライブといえばヤマハ…といったイメージが先行しますが、ホンダもGL400やCX-EUROでシャフトドライブを採用していました。

ツアラー向けのバイクが多い印象だったので、スポーツ向けの味付けのXZ400にシャフトドライブを採用したのも斬新だったようです。

今考えると、XZ400もツアラー寄りだったのかな?という感じもしますが。

というのも、当時の400ccバイクで冷却方式が水冷というのも珍しかったんですよね。

水冷V型2気筒DOHC4バルブエンジンを新開発というのもヤマハが本気で作ったエンジン…なんて友人が言ってました。

当然輸出仕様もあって、XZ550がそうでしたね。

みんなのインプレッション

「大きい。ウィンドプロテクションがすごい。エンジン熱を利用したヒーター(というかただの風導入先の切り替えだけですが)。格好(そう思っていました、今でも好き)。水冷Vツインエンジン(が好きだった)。」

「走る、曲がる、止まる。 基本的な所が良くいい気分で乗れる。 割とフラットトルクで楽である。 80年代の気分に浸れる。」

「BMW K100がマネしたんじゃないかと思われるような乗り味。実際、ポジションなんかソックリ。」

「多少の短所はあるが、それを大きく上回る長所。」

「ハーフカウルであったが、とにかく高速ツーリングで疲れない。また、赤白のツートンは非常に目立つ。ツーリングクラブを作り(約30名)連泊のツーリング用途が主。とにかく、当時のヤマハが考えられるテクノロジーを全てつぎ込んだようなバイクだった。水冷DOHC、ダウンドラフトキャブ、シャフトドライブ、ダブルディスク、懸垂型横置きVツイン。」



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