国内のバイクシーンは400ccスポーツモデルが中心に…。
1975年に免許制度が改正され、限定解除という「高い壁」が生まれたことによって、国内のバイクシーンの主役は400㏄スポーツモデルに移っていきました。
当然、ホンダを始め各バイクメーカーは400ccバイクに注力して次々と新車を投入していきました。
そのような中で爆発的にヒットしたのがカワサキの「Z400FX」。
精悍なスタイルと4気筒エンジンを備え、一世を風靡した名車だったのです。。
待望の400cc4気筒DOHCエンジン
Z400FXの特徴といったらその精かんなスタイルでしょう。
当時、400ccバイクにまだまだ4気筒が少なかった時代です。
そうなると思い出されるのがホンダのCB400FOUR。
1974年末に発売開始で、4気筒エンジンと流麗なスタイルで人気となりましたが76年に生産を終了しています。
ホンダ曰く、400ccに4気筒は似合わない…という理由からでした。
そこから、CB400T HAWKⅡという名車が生まれたのです。
それでも、400ccバイクに4気筒を望む声は根強いものがありました。
なにしろ、大型バイクへのハードルがとても高かった時代です。
そういう声に応えたのがカワサキでした。
待望の400cc4気筒モデル。
しかもDOHCを採用するといった高性能エンジンを実現したのです。
こうして、待ちに待った1979年4月にZ400FXがデビューしました。
ベースとなったのは、輸出モデルのZ500です。
このエンジンを400ccに変更し、当時はクラス最高出力の43psを実現しました。
しかも、車格は輸出仕様のZ1000MK2や国内向けZ750FXと共通デザインです。
その堂々たる姿に当時のバイク小僧(大人も)が熱狂したのも無理はないでしょう。
まさに、夢の400cc4気筒スポーツバイクだったのです。
月刊『オートバイ』で年に一度開催しているジャパンバイクオブザイヤーでは、1979年の126~400ccクラス、1980年の251~400ccクラスで人気ランキング1位を獲得してみせました。
車体がデカい!
でっかい車体に角形ボディーの存在感がすごいです。
これぞまさに男カワサキです。
まるっきりオリジナルというわけではないですが、当時のカワサキは他車との部品の流用が可能でした(ゼファーの足回りとか)。
カスタム好きにはたまらないバイクでもありましたよね。
重いところが玉に瑕で、暴走族に大人気だったけど誰もが憧れるバイクでした。
もっとも人気のカラーがこのミッドナイトブルーでした。
大柄の車体はZ1000MKⅡと同じですからね。
その分重量も乾燥重量で200kg超でした。
エンジンはZ500用エンジンを399cc化したものです(DOHC2バルブ空冷4気筒も共通)。
Z500のフロントブレーキはダブルディスクだったのが、Z400FXではシングルディスクに変更されています。
マフラーはメッキ仕上げの2本出しで、もちろんいつもピカピカに磨き上げていました。
マフラー交換もデフォルトでヨシムラにみんな替えていましたね。
アナログ2連タコメーターは今となってはノスタルジック。
レッドゾーンは10000rpmから。速度警告灯なんてのもあった時代です。
テールランプがデカいのも男カワサキならでは。
シート後方の角型のテールカウルがリアビューを引き締めてくれます。
一体型テールランプが印象的ですね。
カワサキ「Z400FX」主なスペック
全長×全幅×全高 2100×785×1125mm
ホイールベース 1380mm
最低地上高 145mm
車両重量 205kg
エンジン形式 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量 399cc
ボア×ストローク 52×47mm
圧縮比 9.3
最高出力 43PS/9500rpm
最大トルク 3.5kgf・m/7500rpm
燃料タンク容量 15L
変速機形式 6速リターン
キャスター角 26°
トレール量 98mm
タイヤサイズ(前・後) 3.25-19・3.75-18
ブレーキ形式(前・後) シングルディスク・シングルディスク
当時価格 38万5000円