スズキ・グラストラッカーが発売されたのは2000年4月のことです。
249ccの空冷4スト単気筒エンジンを搭載。
イメージされたのは「1970年代のアメリカでの草レースで走っていたようなバイク」でした。
どんなバイクだった?
2000年当時を思い起こしてみると、国内バイク市場では「トラッカーカスタム」と呼ばれたスタイルが人気を集めていた時代です。
ブームの先駆けとなったのはヤマハTW200でした。
TW200のカスタムスタイルが、不要なものを取り外した(シート下のバッテリーさえも外した)「スカチューン」を中心にしていました。
グラストラッカーも、必要最低限の装備だけでシンプルにまとめられていたのです。
初期型に搭載されたエンジンは、ボルティー用の空冷単気筒SOHC4バルブでした。
翌2001年にはバリエーションモデルとして大径タイヤを履いた「グラストラッカービッグボーイ」を発売。
以後、両車はシリーズとしてモデルヒストリーを重ねていったのです。
最初のモデルチェンジは2004年4月のこと。
ボルティーがST250に移行するなか、グラストラッカーシリーズが搭載するエンジンも、ST250用の空冷単気筒SOHC2バルブエンジンにチェンジされたのです。
外観上でもエキパイの取り回しから見てとれます。
2008年9月には、フューエルインジェクションを搭載して排ガス規制にも対応。
この際、燃料タンクの容量が、8.4リッターに増えました(従来型は6リッター)。
この後はカラーチェンジのみを重ね、2014年の変更を最後に、平成28年排出ガス規制をクリアせずヒストリーを終えたのです。
グラストラッカーのインプレッション
シンプルなバイクです。
そして、良くも悪くも単気筒のバイクなので独特のドンツキがあります。
慣れで回避できるのですが、どうしてもアクセルをふかし気味になってしまいます。
ポジションは楽なのですが、車格に対してアップハンドルが広く感じます。
この感覚は人それぞれです。
楽で操作しやすいという人もいますが、力の加減を上手くコントロールしないと曲がるときなどハンドルが切れすぎて危なく感じることもありました。
サイズは、全長2050×全幅900×全高1130mm。ホイールベースは1325mm、シート高は750mmです。
見た目以上に跨がってみるとコンパクトに感じるでしょう。
足つきで困る人も少なそうです。
グラストラッカーのスペック
NJ4DA型グラストラッカーの諸元 | |
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画像はスズキ株式会社より引用 |
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車両型式 | JBK-NJ4DA |
お値段 | 430,920円 |
排気量 | 単気筒249cc |
最高出力 | 19PS[14kW]/7500rpm |
最大トルク | 2.1kgm[21Nm]/5500rpm |
60kmh燃費 | 48.0km/L |
全長幅高 | 2050mm/900mm/1130mm |
面積&体積 | 1.845m²/2.085m³ |
地上&座面 | 160mm/750mm |
車両重量 | 136kg |
タイヤ | 前:3.00-18 後:120/80R17 |
ブレーキ | 前:ディスク 後:ドラム |
空冷単気筒SOHC2バルブとシンプルなエンジンです。
クラシカルな外観でエストレヤとST250とグラストラッカーを迷ったのですが、価格面でエストレヤを断念。
見た目のかっこよさでST250は脱落といった形でグラストラッカーをチョイス。
間違った選択ではなかったのですが、2年くらいで手放しました。
CB125Tを手に入れたことが大きかったのですが…。
褒めるべきは、低速域での扱いやすさでしょう。
これは、先述したようにドンツキを回避できる操作をおぼえると低速での不安がなくなり、逆に安定感が出てきます。
そのため、街乗りメインであれば流れにもしっかりとついていけるので、困ることはありません。
逆に言うと、ツーリングのような一気走りには向いていないかも。
高回転域はそれほどパンチ力がないので物足りなさを感じます。
それでも、20年近く発売された息の長いモデルです。
安価であることと乗りやすさが評価されたのでしょうね。
みんなのインプレッション
「250なので車検が無い。ノーマルだけどかなりカッコイイ。シングルの音がイイ。3、4速はけっこういける。タイヤがカッコイイ。パワーとスピードは期待しない方がイイ。SRの方がまだマシ!でもシングルっぽさはじっかんできるよ。このバイクは、格好重視。車検が無いのが良いところ。初心者でもダイジョブ!」
「安い。軽い。燃費がいい。なんでかしらんが、周りの若い奴らが欲しがるので、転売価格に期待がもてる。取り回し楽々。ウィリー楽々。アクセルターン楽々。タイトターン楽々。運転が上手くなったような気分になれる。街乗りの足として最高。天気のいい日に4輪に乗っているのがばかばかしくなる。大型購入時には下取に出さないで、手元に残しておくつもり。」
「やっぱりかっこいい。ハンドルが広くて良い。タイヤがちょっと太いので安定してる(←ビッグボーイのこと?)車体が軽い。」
「取り回しが楽チン。なにせ乾燥120kgちょいでしょ。自在に扱えるのがいい。押して歩いても苦にならないし。」
「足付きが良い身長163cmの私にはあまり選択の余地が無かった。故障が無い。」