XL Degreeは1991年4月に発売されました。
水冷エンジンを搭載したオフロードバイクですが、オフ車というよりも“オフロードラン”も楽しめるオンロード車と見ることもできるバイクです。
見た目はもろオフ車ですけどね。
どんなバイク?
ホンダのXLの系譜だからオフ車だろ…ごもっともなのですが、ディグリーと付いている時点でXLの“分家”扱いですね。
じゃあ、たいしたことないの?というとそんなことはなく、オフは本家にまかせておけばいいので、街乗りや高速も安定走行できて、オフもいけますよ的なバイクです。
エンジンが水冷エンジンのAX-1ベースということでもわかります。
低速寄りのチューニングも街乗り重視を物語っているといっていいでしょう。
セルスターターと790mmというオフ車らしからぬ足つきの良さも特徴的です。
もちろん、オフ専用で乗ってもいいのですが、オフ専用車は他にもいくらでもあるので、ディグリーをチョイスする人は、オン寄りのオフ車乗りといったところでしょうか。
誰かが言ったのか、どこかの記事で見たのか、ライトなクロスカントリーモデルというのが言い得て妙だなと思いました。
790mmのシート高ですが、前21インチ、後18インチのフルサイズホイールを採用しています。
ですから、見た目はしっかりオフ車なんですよね。
XLの系譜…XLディグリーなのですから当然ですが、1995年のマイナーチェンジで“XL”が省かれました。
ディグリーという本家になったということですね。
このときの変更は、ヘッドライトカウルの形状変更、リアブレーキの油圧ディスク化などが行われました。
XL Degreeのインプレッション
まんまAX-1では?なんて声が聞こえたバイクですね。
まだ、“マルチパーパス”という言葉もなかった時代です。
AX-1が登場したのは1987年ですが、衝撃的だったようです。
空冷エンジンがあたりまえのオフロードカテゴリーに水冷エンジンで参入したのですから。
もっとも、オフロード車を装ったオンロード車なんて揶揄されたのですが、そこがホンダの意図だったようです。
オンオフの区分けがしっかりしていた時代ですから、かなり衝撃的でした。
AX-1の後継がXLDegreeと見る向きが多いんですが、Degreeが登場してもしばらくはAx-1も発売されていました。
当時はまだまだバイクブームが盛り上がっていた時代ですから、こういったことも違和感なく行われていたのですね。
というか、考えてみると、同じようなバイクが併売されることはそんなに珍しいものではありませんでした。
※ちょっと勘違いしていたかも…AX-1のほうがDegreeよりも“オン寄り”なのかもしれません。DegreeもXLとは離れた存在でしたが、なんともこのあたりの関係性は難しいですね。
Degreeのタンク容量は9.3リットルということでそこそこ大きいタンク容量となっています。
荷掛けフックが付いているのは、市街地走行を意識したものですね。
XL Degreeのスペック
MD26型XLディグリーの諸元 | |
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画像は本田技研工業より引用 |
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車両型式 | MD26 |
お値段 | 379,000円 |
排気量 | 単気筒249cc |
最高出力 | 25PS[18kW]/8000rpm |
最大トルク | 2.5kgm[25Nm]/6500rpm |
60kmh燃費 | 45.0km/L |
全長幅高 | 2100mm/815mm/1155mm |
面積&体積 | 1.712m²/1.977m³ |
地上&座面 | 240mm/790mm |
車両重量 | 129kg |
タイヤ | 前:2.75-21 後:4.60-18 |
ブレーキ | 前:ディスク 後:ドラム |
ちなみにDegree(ディグリー)ってどんな意味なのか…熊??(それはグリズリーか…)
調べてみると、というかWEBのDegreeの紹介ページに載っていたのですが、経度・緯度・温度計などの「度」の意味なんだそうです。
深い意味がありそうな、それでいて意味不明なような、このあたりはあまり気にしないほうがいいのかもしれません。
みんなのインプレッション
「オンロード(AX1)用の水冷エンジンを積んでるので舗装路走行は快適。振動も少なく特性も素直です。1日300km乗っても疲れません。」
「 足つきが良い!!燃費が良い!街乗りしてても30km/l位。ツーリングに出ればそれ以上。満タンだと300キロは航続可能。低重心なので高速道路でも比較的楽。シートも良い。ライディング時の姿勢も楽なので、ロングツーリングや、林道をトコトコと走るのに向いています。キャリアが無くても荷物が何故だか積みやすい。あまり人が乗っていないので稀少です。」
「ポジションが楽で、出足は250CCとしてはベターと思います。他のオフロードにも言えますがナックルガードは思いのほど雨、風に強く重宝しています。故障は全くなし。」
「足つきが異常に良い。原付以外のオフ車の中では、たぶん日本一でしょう。 水冷DOHCエンジンは普通に町中を走る分にはそこそこパワーがあって乗りやすい。 車高が低く、重心も低いため、他のオフ車よりは高速道路での安定性は少しだが優れている。」
「ロードを走って、ふと横を見たら林道がある。走りたい。そんな人には実に都合が良い。長時間乗っても比較的疲れない。カーブ等では素直に車体が倒れこんでくれる。 背の低い人には都合が良い。(僕は身長165センチです)」